慰謝料と「手切れ金」

「交際していた相手と別れることとなったが、その別れに納得がいかず、せめてもの救いとして、相手方に金銭の請求をしたい。」また逆に、「相手方から金銭の請求を受けている。あるいは、ストーカー被害に遭っている。」男女関係の別れが、このような事態につながるケースが、最近では、非常に増えています。

当事務所では、このようないわゆる「手切れ金」に関しての対応や、ストーカーに対する対応を、業務として行っております。手切れ金の請求への対応、手切れ金に関する示談書・誓約書の作成、又はストーカーに関連したお悩みをお持ちの方は、是非、ご相談ください。

「手切れ金」請求に関連する業務

  • 手切れ金請求書(内容証明)の作成・発送
  • 手切れ金請求書(通常の封書)の作成
  • 請求に対する回答書の作成
  • 警告書(ストーカー/内容証明)の作成・発送
  • 慰謝料請求書(ストーカー/内容証明)の作成・発送
  • 示談書・念書・覚書の作成
  • 告訴状の作成

ご依頼の流れ

当事務所へお越しいただける場合は、恐れ入りますが、事前にお電話又はメールによって、ご予約下さい。

当事務所から遠方にお住まいの方に対しては、メールによるやり取りを基本として、書類作成・書類の修正・ご相談をお受けしております。その際のお手続の流れの概要は、以下の通りになります。

文書の授受にはメールを利用するため、メールアドレスをお知らせいただきます。

矢印

文書作成に必要な情報をお知らせいただくために「当事務所からのご質問」をお送りし、ご記入の後、ご返信していただきます。

矢印

文書を作成し、メールで、文書(案)と請求書をお送らせていただきます。ご希望に応じて、完成した文書を郵送いたします。修正要望には何度でも応じます。

料金表

 手切れ金請求書(内容証明)の作成・発送 21,000円
 手切れ金請求書(通常の封書)の作成 21,000円
 請求に対する回答書の作成 15,750円
 警告書(ストーカー/内容証明)の作成、発送 15,750円
 慰謝料請求書(ストーカー/内容証明)の作成・発送 21,000円
 示談書・念書・覚書の作成 21,000円
 告訴状の作成 15,750円

慰謝料と「手切れ金」と解決金

男女関係は、通常は、自由な人間同士において、お互いがお互いをパートナーとして求め合うことによって、成立するものです。しかし、少なくとも一方において、相手を求める気持ちが薄らいだ時、あるいは、その相手をパートナーとする必要性がなくなった時、別れが訪れます。

そして、男女の別れの場においては、多かれ少なかれ、精神的苦痛が伴うものですが、お互いが、それぞれの将来のために、その別れを納得して受け入れたのであれば、その別れを理由とした紛争が生じることはないでしょう。しかし、そのような理想的な別ればかりではなく、紛争化してしまうこともよくあることです。そのような場合の解決方法として、お金で解決する方法があります。

慰謝料・「手切れ金」・解決金は、そうした場合に支払われる金銭を指す言葉です。解決金は、慰謝料・「手切れ金」を含めて、示談・和解するために必要となった金銭全般を指します。慰謝料と「手切れ金」には、重要な違いがあります。その違いについては、次に説明します。また、慰謝料・「手切れ金」・解決金ともに、精神的苦痛という損害を穴埋めする機能がありますが、「手切れ金」や「解決金」については、精神的苦痛が伴わない場合でも、「手切れ金」や解決金といった名目で金銭が支払われることもあります。

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慰謝料と手切れ金の相違点

慰謝料とは、損害賠償の一種で、不法行為(民法709条・710条)の要件(条件)を満たせば、法律上当然に発生するものです。損害賠償のうち、精神的な損害に代表される無形な対象物についての損害に関するものです。

これに対して、「手切れ金」とは、人間関係の清算に伴い、任意に支払われる金銭のことをいいます。広い意味では、慰謝料も手切れ金の一種といえるでしょうが、慰謝料が、相手方が請求に応じない場合に、強制的に支払わせることができる性質のもであるのに対し、「手切れ金」は、そのようなことはできず、あくまで、相手方が任意に応じることによって、支払われるものです。

男女関係清算時において、慰謝料も「手切れ金」も、争いごとを解決する役割を果たす点では同様の性質を有しますが、強制力において大きな違いがあります。

また、「手切れ金」は、法律上、相手方が支払い義務を負うものではありませんので、執拗に請求すると、脅迫罪・恐喝罪等の罪に問われる場合もあるので、十分な注意が必要です。

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慰謝料が生じる関係

男女関係精算時において慰謝料が生じる男女関係は、「婚姻」「内縁」「婚約」が成立している男女関係です。

「婚姻」は社会生活上夫婦となる意思を持って、婚姻届が提出されている関係です。「内縁」は社会生活上夫婦となる意思及びその生活実態はあるが、婚姻届が提出されていない関係です。「婚約」は将来、婚姻する意思を持ち合い、同時に、それを裏付ける客観的な態様、例えば結納・結婚式場の予約等がある関係です。

これらの関係は、法的に保護され、当事者双方に、法的な権利・義務が生じます。慰謝料は、当事者に課された法的義務に違反することにより発生します。

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慰謝料が生じない関係

法的には、「婚姻」「内縁」「婚約」が成立していない男女関係は、保護されないとされます。つまり、交際し、単なる友達ではない特別な関係となった男女は無数に存在し、その別れにおいては、少なくともどちらか一方は、多大な精神的苦痛を被ることが通常でしょうが、そうした精神的苦痛全てを法的に保護していたのでは、世の中が損害賠償請求だらけになってしまいます。そのため、どうしても保護しなければならないものを保護するために、一定の線引きをしなければならないのです。

その結果、「婚姻」「内縁」「婚約」が成立していない男女関係は、どのような結末を迎えようと、特別な例外を除き、それらはすべて自己責任とされ、法的な問題とはされません。したがって、精神的苦痛についても、慰謝料請求権が生じないことになります。

しかし、例えば、相手方に騙されて交際し、性的関係をもった場合において、相手方の騙す行為が、通常の男女関係におけるいわゆる駆け引きのレベルをこえて、悪質である場合等、社会通念上、明らかに悪質と思われる事情があれば、相手方の行為が違法と評価され、損害賠償請求の対象となる場合もあるでしょう。

また、請求権の有無は最終的に裁判によって判断されるものであり、そのために、まずは、相手方に請求する必要があります。請求すること自体は、基本的に、自由です。相手方に対して、ご自身の心の痛みを訴え、それに対して、相手方がどのような対応をするのかを見極める必要があります。慰謝料請求ができるかどうかの問題は、相手方に対して、慰謝料請求したにも拘わらず、相手方が応諾しなかった後の問題ということになります。

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手切れ金の法的性質

慰謝料等の損害賠償請求権は、不法行為に関する一定の要件を満たせば、相手方の意思とは無関係に発生し、相手方は支払いを強制されます。裁判を経て強制執行の対象となるものです。

これに対して、手切れ金は、法律上一定の要件(条件)を満たせば当然に請求権が発生するという性質のものではありません。相手方の行為がよほど悪質で、不法行為の要件を満たすと考えられるような特別な場合を除いて、相手方がその意思に基づいて、支払に応諾してはじめて、支払われるものです。つまり、手切れ金請求権は「契約」によって生じる権利です。このような契約も、「契約自由の原則」に基づき、締結可能です。法的には、金銭の贈与ということになります。したがって、手切れ金を請求して、相手方が応諾してはじめて、法的な請求権が生じるということになります。また、書面によらざる贈与はいつでも取り消せるので、正確には、相手方が書面に手切れ金支払いについて同意した旨を記載して、はじめて支払いを強制できることになります。

一度支払われた手切れ金については、法的に有効に、支払いを受けた者の所有に帰します。したがって、相手方は不当利得としてその返還請求をすることはできなくなります。

ただし、手切れ金を支払う過程において、詐欺や脅迫がなされた場合や、あまりにも執拗な請求に対して、とりあえずその請求から逃れるために、真意に基づかずに、支払った場合は、不当利得として返還請求することが可能です。もっとも、そのためには、実際上、証拠がなければなりませんので、手切れ金を請求されている過程で起こった違法性がある事実については、証拠として、残しておく必要があります。

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不倫関係と手切れ金

不倫関係にあった当事者同士の間で、別れの際に、金銭の支払いが問題となる典型的なケースは、「女性が配偶者のある男性と、いわゆる結婚適齢期のうち数年にわたり交際し、その際に男性が女性に、妻と離婚して不倫交際中の女性と結婚することを約束していた」といった状況です。

このような場合であっても、女性は男性に対して、原則として、慰謝料の請求はできません。それどころか、不倫交際の事実が相手方妻に発覚すると、慰謝料を請求される立場にあります。このケースで最も責任を感じるべきなのは男性であると思われますが、男性は、何事もなかったように家庭に帰ることになり、理不尽さを感じる話ですが、法的には、配偶者のある男性と交際した女性の自己責任と捉えられてしまいます。妻からの慰謝料請求も認められることになります。

このようなケースで、感情に走りやすいので、手切れ金を請求する場合、過去との決別をする手段と割り切り、冷静さを保って請求する必要があります。また、相手方の配偶者に不倫交際の事実が判明しないように、十分な注意をなす必要があります。

なお、「重婚的内縁関係」つまり、交際している相手方に配偶者がいるが、婚姻関係が実質的に破綻しており、他方で、交際している相手方との間に内縁関係の成立が認められる関係においては、相手方に配偶者がいる場合であっても、その内縁関係は、法的に保護されます。したがって、不当な内縁関係の解消については、慰謝料請求権等が生じます。

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不倫関係ではない関係と手切れ金

「長期にわたって同棲していた」「妊娠し、中絶手術を余儀なくされた」など、「婚姻」「内縁」「婚約」が成立していないが、人生における大きなものを注ぎ込んだと感じられる男女関係というものがあります。こういった関係は、「内縁」や「婚約」と紙一重の関係であり、その境界は非常に曖昧であるといえるでしょう。

「内縁」との関係で言えば、「内縁」が、客観的に、夫婦同様の生活実態があり、男女双方とも「結婚している」という認識がある場合に認められることからすると、長期間にわたり同棲していた場合に、その同棲期間のある時から「内縁」といえる関係が成立していたと言えることもあるでしょう。また、「婚約」が、将来婚姻する意思の合致と、それを裏付ける客観的な実態によって成立することからすると、何をもって「客観的な実態」といえるかの判断には、微妙な部分がつきまといますし、将来婚姻する意思についても、双方がどの程度本気で、将来の婚姻意思を表明していたかは、分かりません。

そのようなことからすると、ご自身が男女関係を解消されたことにより、重大な精神的苦痛を被ったと感じた際には、その気持ちを慰謝料請求という形で、相手方に伝えてみる必要があることになります。法的な慰謝料請求権があるか否かという問題は、請求し、相手方が拒絶した場合に初めて問題となるのです。

なお、「結婚詐欺」が典型的な例ですが、社会通念を逸脱した手段・方法で、関係性を持つ、あるいは関係性を維持した場合は、その手段・方法自体が、違法とされ、損害賠償の対象となりえますが、男女関係には多かれ少なかれ、騙したり、強要したりする要素がつきまといますので、これもまた、何をもって、社会通念を逸脱したかの判断は非常に難しく、まずは、相手方に請求してみる必要があることになります。

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手切れ金に関する後始末

多くの出会いには、多くの別れが伴い、それ自体は受け入れなければならないことでしょう。出会った時には想像できなかった道筋をたどり、たどり着いた結末がどのようなものであろうと、自らに与えられた新たな時空を生きていかなければならないものです。

特別に深い関係をもった男女関係においては、その別れに際して、尋常ではない精神的苦痛が伴うことでしょう。そうした苦痛は、悪くすると、人を、つきまといやストーカー行為へ走らせてしまいます。そのような事態を避けるために、可能であれば、その苦痛をお金で埋め合わせる、つまり手切れ金によって解決する方法が提案されます。それは結局新たな一歩を踏み出させてくれると言えます。

しかし、お金には別の側面もあり、私欲を増加させ、繰り返し手切れ金を請求する等、悪質なつきまとい行為へとつながる危険性もあります。そのため、手切れ金を支払う際には、今後、同種の請求がなされることがないように、「示談書」「念書」「覚書」「誓約書」といった書面を交わしておく必要があります。そうすることによって、手切れ金が持つ本来の役割、すなわち、「過去に決別して、新たな一歩を踏み出す」という役割が十分に果たせるようになるものと思われます。

なお、不倫交際関係の維持・継続を図るために締結された契約については、公序良俗に反するものとして、無効となりますが、不倫交際関係の清算を図る際に交わされる契約については、基本的には、有効です。

また、不倫関係の手切れ金に関する書面を交わす場合には、それ自体が、不倫の証拠となるものなので、相応の注意が必要となります。

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手切れ金の相場

「手切れ金」を請求したり、また、「手切れ金」を支払うことで、あとくされなく関係を終わらせようと考える場合に、最も関心がわくことが「手切れ金」の相場であると思います。しかし、残念ながら、「手切れ金」の相場というものは存在しません。法律上の権利である慰謝料であっても、その金額は個々の事例の特殊性に大きく左右されるため、厳密な意味での相場はありません。

もっとも、慰謝料については、裁判例における同種の事例を参考にすることで、おおよその金額を提示することは、一応、可能です。しかし、「手切れ金」には、裁判例があるわけではありませんので、そのような金額を、提示することもできません。また、「手切れ金」は支払う側が任意になす必要があるものです。したがって、その争いごとを収めるために、話し合いによって決した金額ということになってしまいます。

ただ、話し合いを経ることなく請求する際には、何らかの金額を示さなければなりません。そうした場合には、概ね10万円から100万円の範囲で、相手方の同意を得られる可能性のある金額を、提示することになります。

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手切れ金と税金

「手切れ金」は、精神的苦痛を埋めるための損害賠償としての性質を持つ場合と、そうではない場合があります。

損害賠償としての性質を持つ場合であれば、それについては、税金はかかりません。所得税法第9条第1項第17号にある「(略)心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するもの(略)」にあたるためです。

一方、そのような性質をもたない場合は、贈与と考えられるため、税金が課されます。ただし、年額110万円までについては、贈与税の基礎控除対象となるため、課税されません。

なお、損害賠償としての性質を持つ場合であっても、不相当に過剰な金額が支払われた場合は、損害賠償の名を借りて贈与がなされたと捉えられ、不相当部分について課税されます。

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