離婚の基礎知識 / 離婚協議書

◆離婚協議書( 離婚後に起こるトラブル / トラブルの回避 ) ◆離婚協議書の主な記載事 ◆離婚協議書と離婚公正証書( 離婚協議書 / 離婚公正証書 ) ◆離婚公正証書( 公正証書にした方が良い場合 / 公正証書と強制執行 / 公正証書の作成方法)

離婚協議書

「離婚協議書」とは、離婚の際の約束を書面にしたものです。書面の書式や用紙の指定などは特にありません。離婚前でも離婚後でも、どちらでも作成できますが、離婚前に作成することが一般的であり、トラブルを防ぐ方法でもあります。
離婚の際には、取り決めることがいろいろあります。子どもに関すること、養育費や慰謝料などのお金に関することの約束は重要です。離婚後に「言った」「言わない」「約束した内容と違う」などといったトラブルを回避するためにも、口約束は厳禁です。必ず、離婚協議書を作成しましょう。

当事務所作成の離婚協議書のイメージはこちらでご覧ください。

離婚後に起こるトラブル

●口約束での「言った」「言わない」の水掛け論
●養育費の支払いが滞る
●養育費の額が減った
●約束した慰謝料が払われない
●約束した子どもと会う日以外にも面会を求めてくる
●相手の居場所がわからなくなった
●相手と連絡が取れなくなった
●約束した家のローンの支払いが払われなくなったなど

トラブルの回避

離婚後に、トラブルが次から次へと起こって大変な思いをされている方が多くみえます。
このようなトラブルを未然に防ぐ方法は、どのような小さな約束や事実でも必ず記録することです。内容に不備がなく、将来の「あなた」や「子ども」が安心できる「離婚協議書」として残すことです。離婚協議書は、作成しなくて後悔することはあっても、作成して後悔することはありません。

離婚してから半年後、1年後なら約束を守るかもしれませんが、5年、10年経った後はどうなっているのか保証できません。相手が再婚した場合など、書面の作成がないことをいいことに勝手に養育費の支払いがなくなったり、勝手に減額されたりといったことが起き、文句も言えなく、泣き寝入りする方が多いです。

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離婚協議書の主な記載事項

話し合いをスムーズに進めるためには、双方の利害が対立しそうな問題を整理し、自分の希望、譲歩できる範囲を検討することがポイントです。
また、話し合いの過程でいったん書面にし、それをもとに協議を進め修正を加えていくという方法も、冷静に話し合いを進めるうえで役立ちます。

親権 夫婦のどちらが親権者になるのか
養育費 誰が、いつ、どのくらいの期間、どのような方法で支払うのか
財産分与 対象の財産は何か
いつ、誰が、どのような方法で受け取るか
慰謝料 いつ、いくら、どのような方法で受け取るか
面会交流権 いつ、どこで、どのように、どれくらいの頻度で会うのか
夏休み、運動会などの学校行事はどうするのか
携帯電話、メールはいいのか

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離婚協議書と離婚公正証書

離婚協議書

公正証書は、法律の専門家である公証人が法律に従って作成する公文書のことをいい、離婚公正証書とは、離婚の際に作成する離婚協議書を公証人に公文書化してもらったものです。

離婚協議書を取り交わすことで、双方の権利義務が明確になります。

例えば、財産分与・慰謝料の清算が済んでいることを明確にするなど、 後のトラブル再発を防止することができます。また、どちらかに約束違反があり、裁判になった場合には有力な証拠になります。

なお、「再婚した場合、養育費の支払いはしない」や「子どもとの面会交流は一切認めない」などといった内容は、当事者間の約束は自由なのでできますが、裁判等で争った場合は、公序良俗に反する(一般常識とは、かけ離れた内容)として無効とされることがあります。離婚協議書に記載されている内容が、必ずしもすべて認められるものではありません。


離婚公正証書

公証役場において作成する、強制執行認諾約款付公正証書(離婚公正証書)には、 債務名義としての効力・心理的圧力になる効力があります。債務名義としての効力とは、金銭に関する取り決めについて強制執行ができるということです。強制執行をしても文句はない、という文書が入った公正証書があれば裁判所の手続きを通さずに相手の財産に対して強制執行ができます。

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離婚公正証書

公正証書にした方が良い場合

公正証書でない離婚協議書は、養育費や慰謝料などの支払いが滞った場合、裁判を提起して裁判所の判決などを得なければ強制執行することはできません。

●養育費の支払いがあるとき
●分割払いの慰謝料の支払いがあるとき
●一括払いの慰謝料の支払いがあるとき
●財産分与の取り決めを明確にしたいとき
●年金の分割の約束があるとき
●金銭の支払いの約束に連帯保証人がいるとき
●強制執行の効力を持たせたいとき
●面会交流の約束を明確にしたいとき
●金銭の約束がなくても、トラブルを回避したいときなど


公正証書と強制執行

公正証書を作成しても、必ず強制執行ができるものではありません。下記のいずれの条件を公正証書の中で満たしている場合、強制執行ができます。

●金銭の一定の額の支払いを目的とする債権について作成されている公正証書であること
●支払いが滞った際、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(執行認諾)が公正証書の中に記載されていること

「残額半分」や「実際にかかった費用の3分の1」など、金額が明確でない場合は、強制執行の効力は及びません。また、強制執行認諾約款が記載されていても、「直ちに」ということが記載されていなければ「直ちに」強制執行することが難しくなります。


公正証書の作成方法

公正証書は、当事者で合意した書面を公証役場で「公正証書」にしてもらうことができます。何の書類もなく、公証役場に出向いて口頭で内容を伝え、公正証書を作成してもらうこともできますが、公正証書にする内容は慎重に考慮して書面を作成した方が良いでしょう。

公正証書は、後から何度でも簡単に書き直しができるものではありません。なるべく、専門家に公正証書にする内容を作成してもらい、それを公証役場で公正証書にする方が確実で安心な公正証書ができます。

公正証書を作成する際は、公証役場へ原則当事者双方が揃って出向かなければなりません。1回で済む場合もありますが、通常は2、3回出向かなければなりません。しかし、委任状があれば、代理人でも可能です。


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